PROJECT―家が出来るまで

阿南の家
海辺に近い土地の個性を考え、通風と採光に注意をはらい、自然の恵みを生活の場に十分に生かす設計です。ファサードは奥行を感じさせる佇まいを目指し、夏の陽射しを遮る深い庇を持つ大屋根をかけ平屋建てとし、その奥に光と風が部屋の奥まで届くよう設計された中庭とデッキスペースで繋いでいます。
中庭のデッキはサーフィンやアウトドアが大好きなご家族が海から帰って直接バスルームに入り、くつろいだり3人の小さな子供たちが遊んだりと、アウトリビングの役割を持たせています。
5月吉日、徳島阿南町で地鎮祭が行われました。前日までの台風も治まりました。この地で家族が代々まで健康で幸せに暮らせるよう土地の神様に御願いする儀式です。
8月上旬 基礎に捨てコンクリートを打ち、外型枠を施し基礎立上がり、ベース配筋を終了し、基礎検査を受ける状態です。
図面通りに施工されているかチェックします。主筋13㎜の異形鉄筋、が150ピッチで縦横されているか見ます。この後ベースコンクリート150㎜厚が打設されます。

一週間ほどかけて塊強度が強くなり、所定の数値に達します。

9月上旬 基礎完成後、床下換気の為の基礎パッキンを敷き込み土台(桧)を施工します。

一階部分の柱、二階桁までの通し柱を立てます。材料は徳島産のヒノキ材、すべて4寸の太さです。次に一階部分の桁・梁を固定します。全体の構造が見えてきた写真です。

二階部分小屋の構造。一階が終わると二階に管柱(4寸)を立て桁・梁を取り付けていきます。建物のゆがみを、スチールのブレスで調整しています。
建物の平行のねじれを直す為、必要な箇所に火打ち梁を取り付けていきます。火打ち材は他の材より角寸法が小さくても機能を果たします。
桁と登り梁を金属ボルトで固定しています。完成後、登り梁は部屋のデザインとして見せます。
9月吉日、秋晴れのめでたき日、上棟式が執り行なわれました。無事上棟を迎えたお礼とこれからの工事が順調に進みます様に、そしてこれから住み継いでいく家族を守ってくれます様に祈願しました。
上棟式の儀式で施主と建築会社の棟梁が木槌で棟木を打ちます。宮司さんの掛け声で棟木が打ち込まれます。『えい!やー!!...どん!』っと3回行われました。
棟木に登り梁が金属ボルトで固定されています。等間隔にあるくぼみは屋根を支える垂木が入る場所です。
9月中旬 棟上げ後、建物の構造材の水平・垂直を保ち、耐震基準を満たす量の筋違が入りました。屋根伏せ。垂木が施工され、野地板を張っています。この上から防水下地を敷き込みます。
9月下旬 中間検査です。筋交い、金物が施工された後中間検査を受けます。構造材(土台・束・柱・梁)の素材や寸法が図面通りに施工されているか、N値(引き抜き強度)を調べるためボルトが必要な所に施工されているか等検査します。
瑕疵保証保険の検査機関(JIO)の検査です。構造の強度(構造材・筋交い)基礎部の通気(基礎パッキン)や所定の位置にベース配管されているか等を検査します。
10月上旬 土台火打ち梁です。建物の隅角部には大抵このような斜材が取りついてきます。必要に応じて適切な金物で構造材に接合していきます。
これはホールダウン金物と呼ばれるもので柱の引き抜きを防止する為の金物です。計算によって取りつく場所と大きさが決められます。
垂木を留める金物でひねり金物と言います。梁に直接取りついてくるもので、垂木は数が多いですが、すべての箇所に取りついてきます。
2階寝室になる予定の部屋です。ハシゴがある所は階段が設置されます。現場がきれいに掃除されていて気持ちが良いです。
2階こども部屋になる予定の部屋です。仕切りを無くして10畳ほどの一間でファミリールームとしても位置付けています。
梁が低い位置にあると思われるかもしれません。この部屋は小屋裏を利用して第二の空間を楽しめるようにしています。化粧梁が数多く見えてくる部屋となります。
屋根にはアスファルトルーフィングを敷き、雨水が屋内に進入するのを防ぎ、外壁面には透湿防水シートが張られ、水分の建物内への侵入を防ぎます。
基礎と壁の境目に水が浸入しないように金属の板を入れ、水を外部に導くのが水切りの役目です。基礎周りには水平に必ず付いてくるので外観上のアクセントカラーにもなります。
水切りの裏には防鼠材というものが隠れています。水切りは通気が大きな目的となっているので常に外部に開放されています。その為このような細い格子状の建材を設置することで、ネズミ等の小動物の建物内への侵入を防いでいます。
10月下旬 ここは2階ベランダです。奥の四角い部分はドレンのスペースです。ベランダ全体は緩やかに水勾配がつけられ、下階への水の流れをつくる大切な役割となっています。
LDKの一角に台形のFIX窓を作ってもらいました。屋根勾配に合わせた採光スペースにしています。
台形FIXを外部から見た写真です。サッシの中まで透湿防水シートを巻き込み、しっかりと防水対策を行ないます。
通気胴縁の上から、バラ板を張っています。窓を避けながら決められた間隔で施工しています。
モルタルの下塗りが終わっています。軒下の露出部分は化粧材で仕上げています。
外壁工事、特にモルタル下地の場合は時間との勝負です。環境にも左右されるし、面積が多いので職人も人手を要します。
外部軒下空間です。軒天には照明がありますので、格子状の野縁の内側にも電気配線がなされています。
勾配屋根形状に合わせて天井面も片流れ勾配の空間です。壁は漆喰仕上げになる予定です。
小屋裏空間が形になってきました。子供さんの人数と成長に合わせ将来的に部屋を間仕切る事を踏まえた構造にしています。
ダイニングキッチンの吹抜け空間です。壁は漆喰仕上げ。木造の美しい木目を強調できるよう天井にもピーリング(天井化粧板)を張っています。
リビングは間接照明を仕込むために堀天井を採用しています。向こう側は和室となっています。引違サッシ戸からはウッドデッキに出ることもできます。
2階ベランダは子供室と寝室から出ることが出来ます。露出垂木の味を生かした木製の手摺として木材保護塗料を塗り風化を防いでいます。
外観はほぼ完成に近づいています。屋根はヤッコ葺きと言い、大部分は瓦屋根とし、軒先にかけてはガルバリウム鋼板を張るやり方で仕上げています。